「ハンコを彫るのが本職なのに・・・」

           “第二回 印章によって相手が分かります”

                株式会社鈴印 代表取締役 鈴木 延之

 

 私たちはこれまで印章専門店として、80年以上営業しています。その間マニュアルに則ってではなく、対話をしながら商品をご提案してきました。そのため多くのお客様とお話する機会を得ました。改めてその内容をデータ化すると非常に興味深い結果が出ましたので、本日はそんなお話をしてみたいと思います。


 印章によって本当に相手が分かるのか?あくまで傾向なので絶対ではないことを前提とするなら、分かります。先に結論を申し上げますと、印章を大切にする方は、契約の大切さを知っている方。つまり契約において、相手から信用できる人となります。


 本当かよ?って思われるかもしれませんので、以下にその理由を述べてみたいと思います。まず印章を大切にする方には1つの共通項が浮かび上がります。それはズバリ「実印を押す怖さを知っている」これに尽きます。ある方は継承によって、またある方は経験によって心に刻まれているそうです。怖さを継承された方、それはつまり歴史を継承されている方です。継承されている方はそれだけ守る物が多いんですね。そして守るための契約、すなわち実印を押す機会も多いんです。だから実印を押す怖さを知っていることになります。だって間違えて押してしまったら大切な歴史や財産を失ってしまいますから。そのために「実印だけはしっかりした物を使っておけ」そんな風に親から子へ代々継承されているのです。それからもう1つ、実印を押す怖さを経験された方、それは保証人に捺印してしまった方です。事情はそれぞれ異なりますが、止むに止まれず、またそれほど大変なコトとは想像せず保証人の実印を押してしまいました。その後、支払いのために大変なご苦労をなさった方もまた実印をとても大切にされます。ですからその経験や思いは自分のお子様たちに継承されていきます。つまりいずれの場合も、実印を押す怖さをご存知だからこそ大切なご家族に伝えるのですね。


 不思議な事に実印って友達の影響で買うことはありません。ましてや友達に自慢する類の品でもありません。じゃあなぜ良い実印を持とうと思うのか?これしかありません。あなたのことを大切に思っているご両親や尊敬する先輩から言われたからです。そう、実印は横のつながりでなく、縦のつながりが根拠で購入に至ります。つまり良い実印を持つ方は必ずその背後に、実印を押す怖さと大切さをご存知の方がいることが分かります。そして実印が大切と思うことで、それを証明しているのです。

 

 では逆に、契約の際に相手方はそれをどのように感じているのか?次はそんな角度から見てみましょう。この話は契約の席では絶対に聞けません。まず一般的に最初に実印を押す機会は何度も言いますが、車の購入です。車の販売員の方に伺いますと、若い方の多くが三文判を実印にされているようです。だからそれが当たり前。でもたまにいらっしゃるようですよ、若くして凄い実印を持たれている方が。その時にセールスの方は思います「一体何者なんだろう?」それを機に長いお付き合いが始まり、親しくなるにつれ「あっ!あそこの方だったんですね」となるそうです。お客様から捺印をいただく方はその体験を繰り返し、結果良い実印を使っている方は凄い家の方、なんて潜在的に感じられるようですね。


 契約ってある種、お互いの信用をはかる行為になります。車の購入なんて特にその傾向が強いですよね。だって突然お邪魔してその場で何百万円〜何千万の取引になるのですから。だから言い方は悪いですが、セールスの方は無意識に値踏みをします。この方が信頼に値する方なのか?もし見誤れば責任問題になりますから。つまり大きな責任が発生するっていう意味ではお互い様なんですね。そんな時、少しでも相手に「この人は信じられる」って思ってもらいたくありませんか?「こいつ大丈夫か?」って思われたくないですよね??

 ご安心ください。勘の良い方ならもうお分かりですね?そう、良い実印を持つだけで、ご自身をそう見せることができるんです。

 

 残念ながら実印には、あなたの運勢を変える力はありません。しかし運気を変える力があることは間違いありません。分かりますか?良い実印を購入したからって、良い人生が約束されているワケではありませんよね?しかし良い実印を持つことで見られ方が変わり、良い方向に向いていくと言うことは間違いないのです。


 印章によって相手が分かるんです。その方の生い立ちや背景が分かるんです。相手からの見られ方が分かれば、それをコントロールすることは可能です。
さてあなたは、相手からどのように見られたいですか?

(11月 1日配信号へつづく)

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