ウェブサイトを作る!クリエイターの現場から
〜第2回 全てのデザインには「意味」がある〜

          ウェブクリエイター・ウェブデザイナー 熊田 睦

 「デザインや見た目はさほど重要ではない。中身だ。」確かに納得できる言葉ですが、本当にそうでしょうか?

 
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 ウェブサイト制作をご依頼いただく際に、「デザインにはこだわらないから、安く、効果的なサイトを作ってくれ」とご依頼を受ける場合があります。

  「デザインにはこだわらない」
 というご注文は、「素晴らしいデザインを頼む」と言われるよりも難しいご注文かもしれません。

 ここで言う“デザイン”とはきっと“無駄な装飾”を意味しているのかもしれません。「無駄な装飾はいらないから、安く効果的なサイトを作ってくれ」ということでしょう。“デザイン”という言葉に対して、ちょっと誤った理解が含まれていることが分かります。

 海外から見ると、日本人は義務教育課程で「アート」を学ぶ機会がごく少なく、「デザイン」と「アート」の違いを正しく習得できていないという評価をされる場合が多いそうです。

 高校や大学で芸術系・建築系に進まれた方はきっと学んでいると思いますが、私は実はよく分かりません。まだこのお仕事を始めたばかりの頃は、デザイン制作に行き詰ると美術館に行って絵画や彫刻を眺めたり、アート系の刺激を求めることが多くありました。

 センスを磨かないと!!と焦っていたのですが、今は少しその頃とは違います。お客様のウェブサイトをデザインする場合において、「デザインする」という作業は私の場合はあまりクリエイティブな現場ではありません。妄想とシュミレーションの繰り返しで、ちょっとした物語を創造するような感覚です。

重要視したいのは「客観性」
 お客様のウェブサイトを見るのは、お客様の「お客様(ユーザーと書きます)」。
お客様の事業を初めて知ったときなどは、ユーザー側に近い立場にいられますが、お話を伺うほどにお客様側の立場に近くなってきます。

  先日制作した、結婚指輪を手作りできる工房のウェブサイトの例だと、こんな感じです。

  ウェブサイトを見るユーザーはこれから結婚する二人。人生の中でもっとも幸せで充実している頃。どんな指輪がいいかワクワクしながら見ているのが想像できます。

  女性にとって指輪とは特別なもの。今までは雲の上のような存在だった結婚指輪を選ぶ作業はどんなにか楽しいだろう・・・そんなことを考えながらデザインしてみたら、雲の上にふわふわ浮かぶ結婚指輪。でももう手が届くところまで下りてきているよ、という意味を加えたかったので、こっそりシャボン玉をモチーフに盛り込んでみました。あまりたくさんのシャボン玉だとふわふわ弾け飛んでしまいそうなので、ほんの少し、気付くか気付かないかのボリュームに抑えて。そしてこの工房で指輪を作った先輩方の笑顔の写真をたくさん掲載してみました。笑顔を見ているとつい、笑顔になってしまいますから、幸せな二人がもっと幸せになれるように、そんな思いを込めてみました。

  ユーザーの立場になって考えてみることで、私は今回疑似的に結婚間近な幸せ感を体験でき、楽しく制作できました。


文字を視覚化するデザイン

 デザインの第一歩は、文字をどれだけ読みやすくするか、にあると思います。
文章の抑揚に合わせて文字を強調したり、見出し文字を作ったり。

 より読んでもらいやすい見た目に変えていく。そして文字を的確に表現できる写真など配置し、より印象的に加工していく。そしてウェブ上にコード化されて出来上がっていくのがウェブデザイン。

 ウェブデザインにはユーザビリティ、アクセシビリティなどという言葉があるように、「使う」ものですから、ついクリックしたくなる、といったアクションを呼び起こすものである必要もあります。また、何よりもその前にウェブサイトを見つけてもらう必要があります。たいていの場合はGoogleなどのサーチエンジンを使っているとおもいますので、的確なキーワードの盛り込みやコーディングが重要であったり、Google検索結果に並ぶタイトルや文章の抜粋が魅力的でなければクリックしてはもらえません。ウェブデザインという意味の中にはこれらを全て含んでいると考えています。本当に奥深く、時代の流れ方も速い面白い業界です。

 デザインの意味を調べてみると、設計・立案・計画といった単語が並びます。
本来「デザイン」に無駄な要素は存在しないのですね。でも、上手に「無駄」を取り入れられるようになったら、もっとステキなウェブデザイナーになれるのではないか、と思います。常に自分磨きは必要ですね。


(次回の掲載は8月28日配信号の予定です)